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中国から見た中国と日本の違い

中国ニュース:社会

中国、国策で世界に語学学校

 中国政府が支援する「孔子学院」が日本でも広がる。

 桜美林大学孔子学院(東京都町田市)は、JR淵野辺駅前にある。その「特別課程」で初心者クラスの「中国語会話」を担当する専任講師、李貞愛さん(38)の冗談に、クラスがどっとわいた。昨年度から始まった特別課程は、世界的にも珍しい1年間集中コース。中国屈指の名門、上海の同済大学と協定を結んでいる。

 お茶の水女子大学で博士課程を修了した李さんは日本語が堪能だが、授業中は中国語だけだ。「初級は耳の訓練が最も大事。教員の一方通行にならないよう、学生の状況に合わせて授業内容を常に調整します」と李さん。学び始めて数か月の初心者クラスも、夏の1か月、同済大学に留学するのが必修になっている。





 桜美林大学は、創立者・清水安三が戦前に北京に開いた女学校が前身だ。中国と縁が深い立命館大学とともにいち早く、孔子学院設立に手をあげた。

 光田明正学院長は「語学習得は目的ではなく、中国文明理解のための基礎。1年間で政治経済など中国語の講義を受講できる語学力を身につけさせるのが目標だ」と説明。「語学を専攻しても、満足に言葉が使いこなせない大学生が多い日本の高等教育への挑戦の意味もある」と付け加えた。

 短期集中での目標達成のため、中国語のシャワーを浴び続ける「直接法」が採用された。中国語教育の研究者でもある楊光俊・副学院長ら講師陣が「1年の短期間で一定レベルを目指す場合に限れば効果的」と判断、導入に踏み切った。

 1コマ90分、平均週19コマのうち、日本語が使えるのはコンピューターや通訳の授業など6コマだけ。午前中の授業はすべて、同済大学から交代で派遣される講師が担当。「『わかる』は過程、『できる』が目標」をスローガンに、文型を中心に繰り返し発声し、表現パターンをたたき込む。





 昨年度の1期生は9人だが、今年は、志望動機などで選抜試験を実施、18歳から73歳まで30人が学ぶ。孔子学院を終えると、同済大学や桜美林大学の2年次への編入資格が与えられる。

 2期生には早くも、中国の大学への編入資格を超える「漢語水平考試8級」を取得した学生が出た。中国との食品ビジネスをめざす居酒屋の元店長、急増した中国人患者に対応するために学ぶ看護師……。明確な目的意識が学習の原動力になっている。「大学の授業は意味が見いだせなかったが、孔子学院の授業は将来の仕事につながる実感がある」と中国文学専攻の大学を中退して入学した田中直貴さん(20)。片道2時間の通学中もリスニングの練習に励む。

 現在、3000万人を超えるといわれる中国語学習人口の拡大も、学院の目的の一つ。中国語の交流会やスピーチコンテスト、青少年カラオケ大会など、一般に開放するイベントにも力を入れる。

 学習人口の目標は1億人。孔子学院の広がりは、世界共通語である英語への挑戦ともいえそうだ。(片山圭子、写真も)

 孔子学院 中国文化と中国語の普及を目的に、2004年から国策として世界各地の大学や語学学校に設立され、中国政府が人材や教材を提供している。10年までに100校設立が目標だったが、今年6月現在、54の国・地域に分校を含めて156校。日本では、立命館、桜美林、北陸(石川)、愛知、札幌、立命館アジア太平洋(大分)、早稲田、岡山商科の8大学に開設され、福山大(広島)で準備中。